生物多様性保全
社会の持続性を支えている生物多様性への対応は、今や人類にとって急務の課題です。当社は、世界的なネイチャーポジティブ達成に向けた取り組みを検討していくとともに、事業活動と生物多様性との関係性(影響要素)を認識して生物多様性への配慮を行っています。
生物多様性保全に対する考え方
当社は、ISO14001の環境方針へ「生物多様性への配慮」を組み込み、今年度より下記方針を一部改訂して組織的に活動を進めています。
生物多様性方針
- 1. 課題認識
-
リンナイは、生物多様性保全を企業存続のための重要課題の一つとしてとらえ、環境方針に組み込みます。
- 2. マインドの醸成
-
リンナイは、敷地周辺における保全・緑化活動など、自然に触れる機会を通じて生物多様性への理解を深め、環境マインドの醸成に努めます。
- 3. 影響の把握と削減
-
リンナイは、事業活動における生物多様性への影響の評価、把握、分析、目標の設定を行い、その影響の継続的な削減に努めます。
- 4. 進め方
-
リンナイは、生物多様性と、事業の視点により、影響・効果の高い施策から優先して取り組みます。
- 5. 情報公開
-
リンナイは、生物多様性に関する方針や取り組みを社内外に公開し、地域連携・協力関係の構築をめざします。
事業活動と生物多様性とのかかわり
-
当社は、原材料調達を含む事業活動全体を通じて自然に与える影響・依存要素の把握を行うとともに、今後考えられるリスクの整理と、対策の検討を継続して行っています。
さらに、各部門に生物多様性保全への関心を持ってもらうため、当社の事業活動と生物多様性との関連性を伝えながら、各職場において生物多様性にも寄与する活動(CO2・廃棄物・大気・水など)を推進しています。
影響要因 | リンナイとの関係性例 | 主な活動テーマ | 主な取り組み |
---|---|---|---|
温暖化防止 | CO2など温室効果ガスの排出 | 温暖化防止 | 省エネ商品設計 工場・物流・オフィスの省エネ |
過剰消費 | 資源の消費 | 資源循環 省資源 地域貢献 |
投入資源削減 再資源化 循環利用 外来種駆除 |
外来種 | 部品や商品輸送に伴う移入 | ||
土地利用 | 地下資源の採掘や建設等に伴う土地改変 | ||
汚染 | 管理不徹底による化学物質の放出 | 汚染防止 | 商品含有・製造使用の削減 公害防止 |
特定外来生物の駆除を通じた地域貢献
-
COP15において、2030年までに外来種の導入・定着率を50%削減するという目標が決まりました。当社は、2017年度より6月の環境月間において地元の自治体やボランティア、近隣の企業の皆様とともに、特定外来生物(オオキンケイギク)の駆除量を毎年1t以上を目標に活動を続けています。今年度は、1,054kgを駆除しました。
「特定外来生物」とは、他の地域から持ち込まれた生物の中で生態系に被害を及ぼす恐れのある生物のうち国が定めたものをいい、栽培、保管、輸入、運搬、飼育が禁止されています。オオキンケイギクは、非常に繁殖力の強い多年草のため、当社工場へ行き交う物流トラックや、社員の通勤車輌などに種子が付着して運び込まれて当地に生育した可能性があります。生育を放置しておくと、同様に別の場所に拡散し、広範囲に生育してしまう恐れがあり、この地で事業を行う当社にとって生物多様性への危機を防ぐ責任があると考えています。
当社は、継続実施のために、定期的なモニタリング調査を通じて駆除前後の生育状態の定点観察を行うとともに、種を持つ時期に駆除をしないよう短期間で集中して活動を行うなど対策の見直しを重ねています。この地の生物多様性保全に向けて、完全駆除できるまで続けていく予定です。
これらの取り組みは愛知県主催の「あいち生物多様性企業認証制度」において「優良認証」を継続取得しています。
-