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入浴習慣が発汗・血流による熱放散機能を
向上させ熱中症予防につながる可能性を明らかに

リンナイは、九州大学 大学院 芸術工学研究院 西村貴孝 准教授の研究グループとの共同研究によって、人間が日常的に入浴を繰り返すことで発汗機能や血管拡張機能が向上する可能性を明らかにしました。入浴を習慣化することにより、暑熱下での発汗量や血流量が増加することで、体表面からの熱放散機能が向上し熱中症や夏バテの予防に貢献することが示唆されます。本結果は、日本生理人類学会 第84回大会(2023年)にて発表されました。

【研究の背景と目的】

熱中症の対策には暑熱順化が有効であるとされています。暑熱順化は、暑さに慣れることで徐々に暑熱環境への耐性を得ることですが、近年では室内でのエアコンの普及や運動不足といった要因が人間の暑熱順化の獲得を妨げていると考えられます。人為的に暑熱順化を獲得するには、人間にとって高強度の温熱負荷が必要とされていますが、日本人は日常的に入浴という暑熱負荷を経験しており、日々の入浴は、発汗機能を高め、暑熱順化を促すと考えられています。日常生活の入浴習慣がどの程度、暑熱環境への適応能に関与しているかは十分に明らかではないため、入浴中の発汗を含む体温調節機能を測定し、普段から浴槽に浸かる入浴習慣が体温調節機能の個人差に影響するか明らかにすることを目的としました。

【実験方法】

健康な男性32名を対象として実験を行いました。実験室の環境は室温28℃、湿度50%とし、浴槽の湯温は41℃に設定しました。対象者は実験開始後10分間、浴室内で椅座位での安静をとり、その後浴槽へ移動し20分間の入浴を行いました。その後、浴槽を出て、再度椅座位で15分間安静に過ごしました。また対象者には入浴習慣に関するアンケートを行い、対象者ごとの入浴のスタイルや入浴時間などを調査しました。

  • 実験方法
    実験方法
  • 実験風景
    実験風景
【結果と考察】

「入浴習慣あり(浴槽に浸かるのが週4日以上)」12名と、「入浴習慣なし(浴槽に浸かるのが週4日未満)」20名において、発汗量と血流量をグラフ化しました。グラフで示されたとおり、「入浴習慣あり」のグループにおいて発汗量が入浴中・出浴後に有意に大きく、血流量が早く上昇している(血管拡張が早い)ことがわかります。また、これらの結果は年齢や運動習慣、BMIの影響を考慮しても変わりませんでした。以上から、高強度の暑熱・運動負荷トレーニングをしなくても、日常的に入浴による暑熱曝露を繰り返すことで、熱放散機能が向上する可能性が示されました。

  • 入浴時間の経過における「発汗量」のグラフ
    入浴時間の経過における「発汗量」のグラフ
  • 入浴時間の経過における「血流量」のグラフ
    入浴時間の経過における「血流量」のグラフ

VOICE

九州大学 大学院 芸術工学研究院 准教授 西村貴孝 様
九州大学 大学院 芸術工学研究院
准教授 西村貴孝 様
子供のころからお風呂が好きで、それが高じて現在でも大学でお風呂の研究をしています。お風呂と言えばリンナイさんというイメージが強く、今回においても、お風呂のメリット・デメリットを調査する上で親和性が高いと感じて一緒に研究をすることになりました。
お風呂の文化において、湯船に「入る」習慣と「入らない」習慣との二極化が進んでおり、知見を得るためにいろんなデータを集めていたところ、湯船に入っている人のほうが発汗作用が強いという事象を数値的に見ることができました。さらに進めていく中で、数値としてきれいな結果が出て、立証するだけのデータを集められたことで、このたび発表することに至りました。これからはさらにお風呂に入っていない人が入浴習慣をつけることで、どのように変化していくか、といった検証ができればと思っています。
リンナイさんは給湯器のイメージしかなかったですが、水まわりだけでなく、キッチンまわりなどもやっていることを知りましたし、日本だけでなく、世界で活躍されているということを知り事業の幅広さと規模に驚きました。一緒に研究をする中で、リンナイ社員の方々に触れましたが、真面目だったり、フレンドリーだったり、いろんなタイプの方がいると思う一方、その中で非常によくまとまっているなと感じます。
リンナイさんは、給湯器のトップメーカーで、お風呂のイメージもとても強く、業界を引っ張っていける企業だと思いますし、もっと言うと、これからは世界全体に「お風呂文化」「入浴文化」をアピールして、世の中を変えていって欲しいですし、変えていけるだけの力を持っていると思います。

「Air Bubble Technology(エアバブルテクノロジー)」で快適な入浴生活

  • リンナイは既存領域における新たな価値の創造として、ファインバブルと呼ばれる微細な泡を取り込んだ温水を提供する家庭向け給湯器を業界で初めて開発しました。ファインバブルとは泡の直径の違いでウルトラファインバブルやマイクロバブル等に分かれます。当社は給湯機器からファインバブルを発生させる技術を「Air Bubble Technology(エアバブルテクノロジー)」と定め、ファインバブル技術の深耕に取り組んでいます。 「Air Bubble Technology」は、マイクロバブルバスユニットやウルトラファインバブル給湯器に使われています。毎日の入浴をよりリラックスできる時間に変え、家中の水回りの掃除を楽にします。リンナイは「Air Bubble Technology」で、暮らしに新しい体験を提供しています。
  • 「Air Bubble Technology(エアバブルテクノロジー)」で快適な入浴生活
    「Air Bubble Technology(エアバブルテクノロジー)」で快適な入浴生活