コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンス体制
経営を監視・監督する監査体制
当社では、グループ企業の競争力強化と継続的な企業価値向上の視点から、コーポレートガバナンスの強化・充実を経営上の重要課題として捉えています。取締役会や監査役会などの機能強化を図り、さまざまなステークホルダーの方々へ迅速かつ正確で幅広い情報開示に努めることで透明性の高い経営をめざしています。監査役は、取締役会や重要な会議に出席し、取締役および執行組織の職務状況をはじめ、内部統制システムの整備・運用状況等について監査しています。これに加え、外部会計監査人が会計監査などを実施し、会計に関する内部統制の適正性について、第三者の立場から検証しています。
取締役会
取締役会は、当社の経営に関わる重要な事項の意思決定と取締役の職務執行の監督を行っており、社外取締役4名を含む、取締役9名で構成され、原則毎月1回開催しています。なお、取締役会では、M&A案件等の業務執行案件の決議に加え、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応についての議論や取締役会の実効性に関する評価、投資家との対話におけるフィードバック報告等、あらゆる経営に関する意思決定や話し合いが行われています。
取締役のスキルマトリクス
※対象者のすべての知見および経験を表すものではありません。
| 企業経営の経験および知見等 | |||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 企業経営/ マネジメント |
グローバル | 技術(開発/ 生産/環境) |
営業企画/マーケティング | 財務/会計/ 資本政策 |
人材戦略 | ガバナンス/法務/ リスク管理 |
サステナ ビリティ |
IT/DX | |
| 林 謙治 | ● | ● | - | - | ● | ● | ● | - | - |
| 内藤 弘康 | ● | ● | ● | - | ● | - | - | ● | - |
| 成田 常則 | ● | - | ● | ● | - | ● | - | - | - |
| 白木 英行 | - | - | - | ● | - | ● | - | - | ● |
| 井上 一人 | - | ● | ● | - | - | - | - | - | ● |
| 神尾 隆 | ● | ● | - | ● | - | - | ● | - | - |
| 小倉 忠 | ● | - | ● | - | - | ● | ● | - | - |
| 土地 陽子 | - | ● | - | - | ● | - | ● | ● | - |
| 佐藤 久美 | - | ● | - | - | - | ● | - | ● | ● |
スキルの選定理由
| スキル項目 | 項目選定の理由 中期経営計画「New ERA 2025」を達成するための必要要件) |
|---|---|
| 企業経営/マネジメント | 「熱と暮らし・健康と暮らしの分野における世界の社会課題をコア技術で解決する」をめざすリンナイには、消費者サービスやモノづくり企業および研究機関等でのマネジメント経験や豊富な知識を持った取締役が必要 |
| グローバル | 日本、アメリカ、中国を軸とした世界市場での事業拡大と持続的成長を支えていくためには、海外での事業マネジメント経験や現地の生活文化、環境などの豊富な知識や経験を持った取締役が必要 |
| 技術 (開発/生産/環境) |
「熱と暮らし・健康と暮らし」に貢献する商品拡大には、あらゆるエネルギー源活用への基礎研究と要素開発および、信頼性の高い生産体制の維持が絶対であり、開発・生産・環境分野での確かな知識と経験を持った取締役が必要 |
| 営業企画/マーケティング | 本質的な消費者ニーズを収集し「商品企画と販売企画」に展開するとともに、直販化ビジネスを強化するためには、営業企画・マーケティング分野での確かな知識や経験を持った取締役が必要 |
| 財務/会計/資本政策 | 従来からの付加価値&利益重視の経営に加え、中期目線での戦略的投資、株主還元、リスク対応資金の最適分配等を実行するには、財務・会計・資本政策分野での確かな知識や経験を持った取締役が必要 |
| 人材戦略 | 社員の挑戦や自己実現を支援する人事制度改革、新しい働き方の提案およびブランド力向上等を実現させ、持続的成長への基盤固めを図るためには、人材戦略・人材開発分野での確かな知識や経験を持った取締役が必要 |
| ガバナンス/法務/ リスク管理 |
適切なグローバルガバナンス体制を維持し、常に不正の無い職場環境で事業を継続するためには、コーポレートガバナンス・法務・リスク管理分野での確かな知識や経験を持った取締役が必要 |
| サステナビリティ | 持続可能な社会の実現に向けて、社会課題の解決を図るとともに、それを収益機会と捉え事業活動に組み込むためには、サステナビリティ分野での確かな知識や経験を持った取締役が必要 |
| IT/DX | 全社的なデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進に加え、サイバー攻撃対策を含む情報インフラの整備や先進情報技術を活用するためには、IT・DX分野での確かな知識や経験を持った取締役が必要 |
取締役会の実効性評価
当社では取締役および監査役を対象にアンケート形式で取締役会の実効性評価を行っております。2024年度の実効性評価では、すべての項目において基準点以上の結果となり、取締役会の実効性が確保されていることを確認しました。またアンケートには自由記述欄を設けており、取締役会への具体的な評価や意見、提言を収集し、その寄せられた意見等をテーマにした複数回の協議の場を設定するなどの取り組みを行っています。こうした取り組みの継続により、取締役会における社外取締役による専門性を生かした発言や質疑が増加し、社内外の多様な視点を反映した議論が活発化するなどの改善がみられております。
指名諮問委員会および報酬諮問委員会
当社は、経営陣幹部・取締役の指名・報酬等の決定における客観性と透明性を一層確保することを目的に、取締役会の諮問機関として構成員の過半数を独立社外取締役とする指名諮問委員会および報酬諮問委員会を設定し、その委員長および議長は社外取締役が務めております。取締役・監査役・執行委員の指名等および取締役・執行委員の報酬等を決定する際は、それぞれの委員会における審議を経た上、取締役会で決定します。
取締役および監査役の報酬等の額(2024年度)
| 区分 | 報酬等の総額(百万円) | 報酬等の種類別の総額(百万円) | 対象となる役員の員数(名) | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 基本報酬 | 年次賞与 | 株式報酬 | |||
| 取締役 (うち社外取締役) |
461 (38) |
290 (38) |
142 (-) |
28 (-) |
10 (5) |
| 監査役 (うち社外監査役) |
50 (15) |
50 (15) |
- (-) |
- (-) |
5 (2) |
| 合計 (うち社外役員) |
511 (53) |
340 (53) |
142 (-) |
28 (-) |
15 (7) |
役員報酬制度
- 1報酬体系
-
当社の取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬と業績連動報酬で構成されており、その構成割合は、企業価値向上や目標達成を健全に動機付けることを目的として、基本報酬と業績連動報酬の比率が概ね60:40となるよう設定しております。また、業績連動報酬は、毎期の堅実な業績目標達成を促すことを目的とした年次賞与、および中長期的な株式保有を通じて着実な企業価値向上と株主の皆様との利害共有を図ることを目的とした譲渡制限付株式で構成されております。
報酬構成
- 60%程度
- 20%程度
- 20%程度
- 基本報酬
- 年次賞与
- 譲渡制限付株式
「年次報酬」に関する主な概要
- 財務評価部分(80%)と非財務評価部分(20%)で構成
- 財務評価部分は、営業利益、ROEの目標達成度により、標準額の0~200%で変動
- 非財務評価部分は、従業員エンゲージメントの改善度(+定性的評価)により、標準額の0~200%で変動
「譲渡制限付株式」に関する主な概要
- 固定+定性評価(TSR:株主総利回りを考慮)により算定⦆
- 2株式保有ガイドライン
-
第75期より、着実な企業価値向上と株主の皆様との利害共有を一層促すため、当社取締役が在任期間において保有する当社株式数の目安として、株式保有ガイドラインを以下のとおり定めています。
- 代表取締役社長:就任から3年後までに基本報酬の1.5倍に相当する株式
- その他の取締役(ただし社外取締役を除く):就任から3年後までに基本報酬の1倍に相当する株式
- 3報酬決定プロセス
- 当社の取締役の報酬等の内容の決定に関する方針は、社外取締役が過半数を占める報酬諮問委員会における客観的な審議を経て取締役会決議により決定されるものとします。なお、年次賞与の非財務評価部分の評価、ならびに企業価値評価を踏まえた譲渡制限付株式の追加交付等を含め、取締役の個人別報酬額は取締役会における委任の決議を受けた報酬諮問委員会における審議により決定されるものとします。
構成
- 社外取締役 神尾 隆(委員長)
- 社外取締役 佐藤 久美
- 社外取締役 小倉 忠
- 代表取締役社長 内藤 弘康
社外役員とのコミュニケーション
当社は、取締役会の監督機能を強化し、社外役員(社外取締役および社外監査役)の経営への実質的な貢献を促進するため、社外役員が事業を深く理解するための機会を積極的に提供しています。2024年12月には、得意先様向けショールーム「Hot.Lab」において、社外役員向けの商品体験会を開催しました。この体験会では、社外役員が、営業部門の主要製品を実際に見て、触れて体験することで、社内の担当役員との対話を通じて、商品知識と事業理解をより深める機会となりました。
特に、ビルトインガスコンロの最上位モデル「DELICIA(デリシア)」の体験では、調理実演を通じて専用調理器具の軽さや、アプリ連携による多彩な機能が高く評価されました。また、コンロの天板に汚れが付きにくい「イージークリーン」技術の実用性や、ガス衣類乾燥機「乾太くん」の優れた仕上がりを体感することで、製品の持つ高い付加価値と当社の技術力を改めて実感していただくことができました。
このような商品体験会に加え、当社は社外役員向けに生産工場や主要事業所の見学・現場との意見交換会を定期的に実施しています。これにより、社外役員は当社の事業活動の根幹を深く理解し、適切な経営判断を行うための重要な情報を得られるようになっており、また、社外役員同士のコミュニケーションの場ともなっています。