中国の大気汚染(PM2.5)対策に貢献する、リンナイのガスボイラー

大気汚染改善に向けた中国の取り組み

現在、経済発展が著しい中国ではPM2.5による大気汚染が大きな社会問題になっています。粒子径が2.5µm以下の微粒子であるPM2.5は、人々の健康に悪影響をおよぼし肺がんのリスクも含んでいます。日常生活でも影響は出ており、視界不良や目や頭の痛みを引き起こしています。
PM2.5による大気汚染の発生原因は主に自動車の排出ガスや工場からの排気、そして家庭で使われる石炭ボイラー暖房による排気が主な原因になります。特に北京を含む華北地域の冬は暖房のために低品質の石炭が多く使用され、PM2.5による大気汚染が深刻になっています。
2012年2月にPM2.5の平均濃度値を75µg/m3(2級基準)と定めた中国政府の環境保護部は、2016年7月に「京津冀大気汚染防治強化措施」を発表、北京市と天津市および河北省の4市(保定市、廊坊市、唐山市、滄州市)でのPM2.5を基準値以下とするため、PM2.5の発生原因の一つである石炭の使用を禁止し、代替エネルギーでの暖房に切り替えを進める条例を策定しました。

※ 《環境空気質量標準》(GB3095-2012)

       

煤改気(メイカイチ)プロジェクト
石炭ボイラーからガスボイラーへの切り替え


これまで使用されてきた石炭ボイラー(左下)と切り替えられたガスボイラー(右上)

中国、特に華北地域では温水式のボイラーが暖房設備の主流で、ボイラーで温められた温水を各部屋に設置されたパネルヒーターへ循環させることで部屋を暖めます。その温水式のボイラーは「蜂窝煤(フォンウォメイ)」と呼ばれる石炭を利用した石炭ボイラーが一般的でしたが、燃焼時に発生する煤がPM2.5を生み出す原因となるため、ボイラーの熱源として天然ガスを使用した燃焼効率の良いガスボイラーへの切り替えが進められることになりました。

中国政府の方針が発表され、各都市ではガスパイプラインの拡大が進められました。また補助金の交付とともにガスボイラーへの切り替えを進める「煤改気プロジェクト」が始まり、中国国内のガス会社とともにリンナイグループの一つである上海林内有限公司(以下、上海リンナイ)も、ガスボイラーの普及に努めています。


急ピッチで整備されたガスパイプライン(黄色い管)と壁から露出したガスボイラーの排気筒

覇州市における煤改気プロジェクトの取り組み

河北省廊坊市の県級市の一つである覇州市。人口は50万人を超え、その多くは農村部に集中しています。上海リンナイ製ガスボイラーを取り扱う「覇州市覇州鎮順達燃気具販売所」の総経理 張兵彦様は、覇州市における煤改気プロジェクトのこれまでの動きを振り返り、「中国政府が大気の環境改善に向けて石炭からガスへの燃料転換を推進する中、2016年から急ピッチでガスのパイプラインの整備が進んでいます。黄色いガス管が各住居の外壁上部に設置され、2017年11月末には覇州市内では全て開通できる段階になりました。石炭ボイラーからの燃転住戸数は約15万4千戸あり、覇州市での補助金対象のガスボイラーメーカーは16社ありますが、おそらく半数近くが上海リンナイ製ボイラーに切り替わる見込みです。その理由はやはり品質です。上海リンナイ製のガスボイラーの性能は非常に安定しています。またその性能自体も優れていて使いやすいと評判です。今後は様々な住環境に対応できるよう、バリエーションを増やしていただき、また消費者の負担がより少なくなる価格帯のモデルの開発にも期待しています。」と上海リンナイに対する期待を話されました。

覇州市覇州鎮順達燃気具販売所
総経理 張兵彦様

上海リンナイの取り組み

1993年に上海浦東区に合弁会社として設立した上海リンナイは、これまで日本で培った技術をベースに、ガスコンロやガス給湯器の他に温水暖房用のガスボイラーを開発、製造。高品質のガス機器を中国全土へ販売してきました。
2017年3月には経済発展に伴う市場拡大に対応するため、生産能力が2倍となる新工場の稼動を開始するとともに、中国各地に体験型ショールームの設置を開始し、中国の多くのお客様に快適で環境に配慮した生活スタイルの提案を行っています。


様々な種類のガスボイラーや給湯器が陳列された販売代理店ショップ

今回の煤改気プロジェクトでも、多くの地域で上海リンナイ製ガスボイラーが補助金対象ボイラーの一つに選ばれ、大気汚染改善に向けた取り組みに参画していますが、中国北方地域ボイラー責任者である上海リンナイの秦室長は本プロジェクトの重要な点を以下のように振り返ります。


上海リンナイ
華北地域総監兼北方給湯暖房室室長
秦暁東

「石炭ボイラーを使用していた家庭は2017年だけでも全体で300万戸を超え、多くは農村部にあり、ガスボイラーへの切り替えを適切に対応するためには大量かつ広範囲、そして短納期でガスボイラーを供給する体制が必要でした。そのため今回の煤改気プロジェクトに参画するにあたり、新たに特別チームを組み適切に対応していくように努めました。」

またガスボイラーメーカーに品質、価格、納期などに関しての総合力が求められる今回のプロジェクトにおいて、秦室長はリンナイグループの強みを次のように考えます。
「上海リンナイ製のボイラーの強みは大きく3つあり、1点目はリンナイグループの特長である品質です。厳しい品質管理により各部品の品質が保たれ、耐久性の高いガスボイラーを供給することが可能です。2点目は日本の特許技術を使用した設計により高い省エネ性能と機能性をガスボイラーが持ち併せていることです。特に高い省エネ性能は大気汚染改善に大きく寄与することができます。3点目は製品の安定した供給能力です。一部のメーカーでは部品供給に不足が生じ、製品の納入遅延が発生しました。上海リンナイは多くの部品を内製するとともに、2017年3月には新工場の竣工によって生産能力をさらに高め、短納期でもスムーズにガスボイラーを供給することを可能にしています。」

大気汚染改善とお客様の快適な生活の両立をめざして

2017年3月、中国政府の環境保護部は石炭禁止の対象地域をさらに拡大、同年8月には北京、天津および隣接する地域18県、市における11月以降の暖房用石炭を全面的に禁止とする「京津冀及周边地区2017-2018年秋冬季大气污染综合治理攻坚行动方案」を発表し、大気汚染改善に向けた動きが加速しています。しかし中国華北地域の冬はとても厳しく、厳冬期の生活には温水暖房設備が不可欠です。そのため故障など不具合が発生した時のアフターサービスが特に重要になってきます。

上海リンナイはガスボイラーへの切り替えに柔軟に対応するとともに、ガスボイラーをこれまで使用していない農村部のお客様に快適に安心して厳冬期を過ごしていただくため、アフターサービスの強化に努めていきます。また、リンナイグループのグローバルな強みを活かしてこの大規模プロジェクトに参画し、中国国内の環境改善に貢献していきます。