
総合熱エネルギー機器メーカーとして新しいエネルギー利用のあり方を提案


リンナイ株式会社は、創業以来、「熱と暮らし」「品質」「現地社会への貢献」をリンナイ精神として掲げ、事業に取り組んできました。石油コンロの製造からスタートし、現在ではガスの厨房機器・暖房機器・給湯機器はもちろんのこと、システム商品に至るまで幅広い商品を扱う総合熱エネルギー機器メーカーに成長しました。国内をはじめ、海外16の国・地域に、グループ会社を設立し、現地の人々の生活に根づいた事業活動を行っています。
2010年度は当社の中期経営計画「改革と躍進」の2年目でした。重点方針の中でも「徹底したムダ取り活動の推進」に取り組み、各部門・国内外グループ会社の連携により、製造技術・商品企画開発が活発化し、「グループ経営の強化」が進みました。
当社グループでは「企業の社会的責任」の基本は、コンプライアンスであると考えています。コンプライアンスは「法令遵守」と訳されますが、法令の遵守は当然のことであり、法令以外の倫理も含めたコンプライアンスを根幹にしています。経営者、従業員それぞれが自己の業務においてコンプライアンスを徹底し、自らの働く場所を清らかなものにする。そこから従業員の働きがいや社会から求められる期待に応えられる力、ステークホルダーの皆様からの信頼が生まれるのだと考えています。
2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生しました。災害の被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。当社グループ関連では、一部営業拠点に建物などの被害があったものの、人的な被害はありませんでした。また生産への影響も軽微なもので済みました。
当社は、今回の震災に際し、いち早く支援物資(コンロ、炊飯器、ストーブ)総計1万台の寄贈と義援金5,000万円を寄付することを決定しました。このほかガス会社からの要請に応え、ガス機器復旧活動のための人員を確保し、被災地に派遣しました。さらに、自治体から仮設住宅向け商品の注文を受け、こちらの生産についても最優先で取り組みました。
当社は創業90周年を迎えた2010年、家庭用給湯器としては世界初の「ハイブリッド給湯器」を発売しました。このハイブリッド給湯器はガスと空気の熱エネルギーを組み合わせたもので、一次エネルギー効率107%を達成しています。また、ガス業界および関連業界が行っている高効率ガス給湯器「エコジョーズ」の普及活動に当社も参画し、従来の給湯器よりも熱効率が高く、小型軽量化や高いデザイン性を実現したエコジョーズEシリーズの販売にも力を注いでいます。このように環境配慮型商品を開発・販売することが、総合熱エネルギー機器メーカーである私たちが取り組むべき使命と考えています。
こうした取り組みは国内に限りません。先進国をはじめ、経済成長の著しい新興国においても、その国・地域の法規制、ニーズに応じた商品を提案しています。特に環境先進国と言われるオーストラリアでは、電熱貯湯式給湯器の販売規制など、様々な環境保全政策がとられています。一方、新興国市場においては、膨大な建設費用がかかる電力よりガスが重視されています。さらにガスが普及することによって、薪の使用量が減少し、結果的に森林の保護につながるという効果も期待されています。
また海外市場での販売拡大に伴い、海外拠点におけるモノづくりの向上も図りました。インドネシアの工場で使用するラインを日本で製造・設置した後、現地で働く人を招いて研修を実施。技術を習得した後、その生産ラインと仕組みを現地に送り生産活動をするという取り組みを進めています。日本のモノづくりの技術をそのまま現地に持ち込むことを狙っています。
「品質こそ我らが命」を品質基本理念としている当社ですが、2010年度には2件のリコールを発生させてしまいました。お客さまには深くお詫びをするとともに、再発防止に努めてまいります。
当社グループは、今後も引き続き地球温暖化をはじめとする深刻な環境問題に取り組むことを企業の社会的責任の大きな柱として考えています。中でも東日本大震災直後に発生した原子力発電所の事故に伴い、原子力発電に依存したエネルギー政策の見直しが国内外で議論されています。「電気」か「ガス」の二者択一ではなく、自然エネルギーを含めたあらゆるエネルギー資源を想定した熱エネルギー機器の開発に取り組むことも、当社に課せられた使命であると考えています。当社グループは総合熱エネルギー機器メーカーとして、国内外で今求められているエネルギー資源の多様化に貢献していきます。
2011年8月