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ハイブリッド給湯・暖房システムECO ONEの今とこれから~ECO ONE・販売現場から~

2010年に当社が発売した世界初※1のハイブリッド給湯器ECO ONE。高効率ガス給湯器と空気熱を利用したヒートポンプ機能を組み合わせたECO ONEは、お湯をつくる時間の早さと省エネ性、そしてその環境性が高く評価され、着実にその販売を伸ばしています。今回の特集では森のめぐみ工房 柿沼さん、住友不動産株式会社 石塚さんにお話を伺い、ECO ONEがこれから果たす役割とは何かを考えます。

※1 ヒートポンプと高効率給湯器を組み合わせた家庭用給湯・暖房システムの場合

すぐに十分な暖かさが得られるECO ONEと、温水ルームヒーターを提案

柿沼 博久さん

「この地域は冷房を使う人はいなくても、暖房を使わない人はいない。住宅を新築する際に『間取り』の次に『暖房』がくるぐらい、住まいにおける暖房は重要なんです」と話すのは、宮城県仙台市を中心に新築住宅の設計を手掛ける株式会社森のめぐみ工房、代表取締役専務の柿沼博久さんです。

森のめぐみ工房が手掛ける住宅の特長は「ムク材を使用していること」。そのため、反りの原因になる床暖房を使用することはできません。「仙台あたりでも、エアコンの暖房だけでは冬は越せません。だから当社では、『オール電化住宅であっても、暖房・給湯器の熱源はガス』という姿勢でお客様に提案してきました。ECO ONEやエコジョーズ などの 熱源機を採用し、お湯が沸くまでの時間が短い、十分な暖かさを確保できる温水ルームヒーターで暖房することを勧めています」。 柿沼さんによれば、東日本大震災以降、電気とガスに対する消費者の考え方が変わってきた、といいます。震災の影響でエコキュートの多くが破損してしまい、修理依頼がメーカーに殺到。メーカー側は人手不足から十分な対応ができないという事態になったそうです。そのため、電気は比較的復旧が早かったものの、肝心の給湯器(エコキュート)が壊れたままで、お湯を使うことのできない家庭が数多くありました。一方、ガスはその性質から配管などの安全確認作業に時間を要するため復旧は電気よりも若干遅かったものの、熱源器の故障が少なく、すぐにお湯を使える状態になったとのこと。この経験から「熱源器はガスを使うものにしたいというニーズが高まったと感じています」(柿沼さん)。

「寒さの解消」がリフォームの理由。経済的メリットでECO ONEが普及

石塚 淑江さん

一方、リフォーム市場でのECO ONEの反応はどのようなものでしょうか。岩手県盛岡市を中心に住宅のリフォーム事業を行う住友不動産株式会社住宅再生事業本部新築そっくりさん盛岡営業所の石塚淑江さんは「電気や灯油に比べてECO ONEは光熱費が安く済むため、ランニングコストを含めてトータルで見ると、コストが安いのが魅力」と語ります。

冬場は-7~-8度の気温になることも珍しくない盛岡市とその周辺地域では、「冬に家が寒いから」という理由でリフォームを決める家庭が多いと言われています。従来は「ガスは値段が高い」という理由で敬遠され、オール電化か灯油を選択する消費者が多く見られました。しかし、灯油は年々その価格が上昇していること、東日本大震災以降の電気代の値上がりや深夜電気料金割引がなくなる方向であることなど、「安かったはず」のエネルギーの価格が上昇してきました。

そのような中で注目されたのが、一つの暖房システムで家全体の暖房・給湯が賄えるECO ONEです。LPガス・都市ガス事業者の協力によって、冬場のガス料金を安く設定できたこともあって普及が進みました。石塚さんによれば、「リフォーム前は暖房代(灯油代)が月4~5万円かかっていた家が、ECO ONEにしたら暖房・給湯にかかるコストが3万円になった例もあります。私も自分が担当するお客様のうち、約9割の方々へECO ONEを提案しています」とのことです。

家庭からのCO2排出量を減らすことが今後の大きな課題

「光熱費が安く済む」ということは、使うガスの量が少なく、排出されるCO2が少ないことを意味します(グラフ1参照)。家庭におけるCO2などの温室効果ガス削減にもECO ONEは貢献しています。 地球温暖化防止は国際的な課題であり、日本の産業界では以前から徹底した取り組みが行われてきました。日本のCO2排出量のうち、家庭部門からの排出は全体の約15%を占めています(グラフ2参照)。ここ数年の変化を見ると、産業部門は減少傾向である一方、家庭部門は上昇基調にあります(グラフ3参照)。産業部門における排出は今後大きな削減を見込むのは難しい状況になりつつあると言われていますが、増加傾向にある家庭部門では、削減の余地が大きいと考えられています。

あまり知られていないことですが、家庭でのエネルギー消費のうち、給湯と暖房での利用が5割以上を占めており(給湯28.3%、暖房26.7%:COLUMN1参照)、当社では、給湯・暖房機器の省エネ化が、家庭全体のエネルギー消費の抑制に寄与すると考えています。特に省エネ性能の高いECO ONEの普及に注力し、家庭におけるエネルギー消費量の削減に貢献していきたいと考えています。

  • グラフ1:給湯使用時のCO2排出量(1年間)
  • グラフ2:CO2排出量の部門別内訳
  • グラフ3:部門別エネルギー起源CO2排出量の推移
COLUMN 1
家庭での用途別エネルギー消費
家庭のエネルギー消費量の5割超が給湯と暖房
日本ではこれまでも、様々な省エネルギー技術の開発と導入、エネルギー消費効率の改善を図ってきました。
しかし、ライフスタイルの変化から、家庭におけるCO2排出量は増加しています。
家庭におけるエネルギー消費を見ると、給湯と暖房が5割を超えています。したがってこれらのエネルギー使用量を削減すれば、CO2排出量の低減に大きく貢献できると考えられます。

販売促進活動の拡充で家庭での省エネを推進

販売が拡大するECO ONEのことをさらに多くの人に知ってもらうため、当社では様々な取り組みを行っています。

その一つがテレビCM。インパクトのある内容のCMを制作・放映したことによって、ECO ONEの名前は広く知られるようになりました。実際に「お客様に提案すると『テレビのCMで見たことがある』と言われることが多くなってきました」(柿沼さん)との声も寄せられています。また、リンナイのホームページでは、ECO ONEの優れた性能を紹介するコンテンツを充実させるなど、積極的な情報発信を行っています。

認知度が徐々に上がっていく中で、住宅設備機器会社・建築施工会社が消費者に対してECO ONEを提案しやすくするための取り組みも強化しています。 具体的にはECO ONEを導入した場合と他の熱源器を使用した場合のランニングコストを比較できるランニングコストシミュレーションを作成しました。このシミュレーションシステムは、地域によって異なる電気料金・ガス料金、ライフスタイル、使用する商材などを考慮して作られたもの。そのエリアの事情を反映した結果が得られるようになっています。

また、当社の営業担当者とは別にECO ONEの販売促進を専門に行う営業組織を編成しました。現在、専任スタッフ20名、兼任を含めると約30名が全国で販売促進活動にあたっています。さらにこのスタッフが当社の支店・営業所にある体感型ショールーム「ほっとラボ」に設備機器会社、住宅会社、あるいはエンドユーザーをお招きしてECO ONEの良さを体験していただくという取り組みも行っています。ECO ONE専任スタッフには女性もおり、給湯だけでなく、ガスコンロなど、女性ならではの視点でキッチン関連のご相談も受け、好評を得ています。

ガスを使用した快適な暮らしをECO ONEでご提案

東日本大震災以降、日本の電力事情は大きく変わりました。原子力発電推進の方針は転換され、火力発電設備の増強や、政府が再生可能エネルギーや創エネルギーを支援するなどの動きが出てきています。このような変化を受けて、消費者もエネルギーの利用について関心を持つようになり、エネルギーそれぞれの特長を生かした快適な暮らしを求めるニーズも高まっています。なかでも暖房ニーズの高い世帯ではECO ONEを給湯・暖房の熱源機として選択するケースが増えてきています。また、LPガス事業者や地方の都市ガス事業者にとっても、お客様にガスを使用した快適な暮らしを提案する機会を得られ、ECO ONEを採用していただく新しいお客様の開拓に結びつく事例が増えてきました。

 環境保全に貢献する機器として開発されたハイブリッド給湯器ECO ONE。順調に販売台数を増やしていますが、当社はさらなるレベルアップをめざし、技術開発に力を入れる計画です。また、商品の進化とともに販売促進も強化し、より多くの皆様にECO ONEの優位性をアピールしていきたいと考えています。

COLUMN 2
営業本部 営業部 営業企画室 部長中尾 公厚
ECO ONEの普及は省エネ住宅推進に寄与するものと考えています

当社は家庭のエネルギー利用についての意識調査を定期的に行っています。 その結果から、消費者の皆様が多すぎる情報を整理できずにいるということを感じています。お客様に適切に情報を提供するのも我々の役割の一つです。今後もECO ONEの優れた点をわかりやすく紹介し、皆様の選択肢に加えていただくように努力していこうと考えています。

今、日本では低炭素住宅認定制度など省エネ住宅を増やす取り組みが進んでいます。高断熱構造にし、ECO ONEを導入すれば、低炭素住宅の基準を満たすことができるため、大手の住宅会社でなくても認定を受けることが可能です。
ECO ONEの普及を進め、日本の省エネ住宅推進を後押ししていきたいと考えています。

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