Feature3 現地社会への貢献

「安全」で「使いやすい」ガスコンロを提供インドネシアの人々の生活に貢献

当社グループは海外16の国・地域にグループ会社を設立し、世界各地でその地域に対応した商品の開発・製造・販売・サービス活動を展開しています。今回はその中でも近年経済成長が著しいインドネシアの市場の状況と、リンナイインドネシア(株)の活動を紹介します。

地下資源に恵まれ安定した経済成長を見せるインドネシア

ASEANの中でも着実に成長するインドネシア

インドネシアは、日本(成田国際空港)から空路で約7時間(首都:ジャカルタまで)、東南アジアの南部に位置する国です。また、日本人観光客に人気のあるバリ島もインドネシアの一部です。
国土は約17,500の島で構成され、陸地面積は日本の約5倍にあたる189万平方キロメートル。そのうち熱帯雨林が60%を占めています。およそ9,000の島に約2.4億人(世帯数は推定約6,000万世帯)が住んでおり、国土面積の7%を占めるジャワ島に1.3億人が集中しています。政治体制は共和制、民族はマレー系が大半を占め、中華系は約3%程度で、約490の民族集団がそれぞれの多様な民族文化を継承している国と言われています。憲法で信仰の自由が認められており、人口の87%がイスラム教徒、キリスト教徒11%、仏教1%、ヒンドゥー教徒1%未満という構成になっています。

原油や天然ガスなどの地下資源に恵まれていますが、近年では国内の石油消費量の増加によって原油は輸入国になりました。このほかスズ、ボーキサイト、銅、石炭なども豊富。また、気候を生かしたヤシ栽培が盛んで、パーム油を多く生産しています。一人あたりの国内総生産(GDP)は、2010年3,010USドル、2011年3,543USドルと順調に伸長しており、IMF(国際通貨基金)は2012年のGDP成長率は前年比6.3%と推測しています。

2013年に創立25周年を迎えるリンナイインドネシア(株)

リンナイインドネシア(株)チクパ工場

1988年3月、同国にリンナイインドネシア(株)(PT RINNAI INDONESIA)を設立、2013年に25周年を迎えます。
当社は約30年前から日本で生産した商品(完成品)を輸出していましたが、その後現地でノックダウン生産(主要部品を現地に輸出し、現地で組立・生産を行うこと)を始めました。次第にノックダウン生産の数量が増え、将来にわたって成長が見込まれることから、インドネシアの顧客とともに合弁会社として同社を設立しました。設立の翌年である1989年に工場が完成して生産を開始し、現在に至っています。なお、リンナイインドネシア(株)の2011年実績は、売上約93億円。主力商品であるテーブルコンロ、ビルトインコンロの市場シェアは約60%です。

Employee Interview 人々の生活向上に寄与する商品を提供雇用の確保などを通して国の発展にも貢献したい リンナイインドネシア(株)取締役社長サストラ・レンバ

インドネシアは石油産出国ではあるものの、経済発展とともに国内の需要が高まり、原油不足の状態が続いています。その中でリンナイインドネシア(株)ができることは、石油を使用しないガス機器を供給すること。安全で安心、そして高品質なガスコンロなどを生産し、より多くの人々に満足して使っていただくことが私たちの使命です。
新興国として注目されるインドネシアですが、道路網などのインフラは未整備であり、また就労の意思がある全ての人々に働く場が確保されている状態でもありません。工場の生産を拡大し、近隣の人々を雇用することが、インドネシアの雇用状況を改善することにつながり、さらには社会インフラの整備など国の発展にもつながると考えています。
市場のニーズに応える商品をより高品質かつ適切な価格で供給し続けることが、総合熱エネルギー機器メーカーとして今後も当社に求められるものだと思います。それはガス機器ばかりだけではなく、電気湯沸器などまったく新しいものであるかもしれません。どのような分野であるにせよ、これからも安全性に優れるとともにより便利で快適さを提供する商品を供給することによって、インドネシアの人々の生活に寄与していきたいと考えています。

政府の政策でLPGのガスコンロが普及買い替え需要でリンナイのシェアが拡大

インドネシアでは民間用(家庭用)のエネルギー源として、主に灯油(ケロシン)とLPGが使用されてきました。ただし、長い期間にわたって同国におけるLPGの普及率は10%程度にすぎず、厨房機器は灯油コンロが主流でした。政府も貧困層を対象に灯油への補助金を出すなど、灯油の普及に努めてきました。
2005年、灯油への補助金の負担が重くなったインドネシア政府は、比較的に補助金負担額が低いLPGの普及を図るため家庭用エネルギー転換政策を打ち出しました。これにより5,400万世帯を対象に各家庭へ3キログラムボンベ、一口コンロ、ガスレギュレーター(ガス圧力調整器)が無償で配布され、灯油からLPGへの転換が進められました。
この政策で無償配布されていた一口コンロは、現地メーカー製でしたが、政策開始と同時に高品質で利便性が高いリンナイ製の二口コンロに買い替える動きが活発になり、リンナイインドネシア(株)の業績も急速に伸長。同国においてリンナイ製コンロが普及する大きな契機になりました。リンナイインドネシア(株)における2005年当時のテーブルコンロ販売台数は年間45万台でしたが、2011年には525万台にまで伸びています。

テーブルコンロを生産する新工場が竣工2014年までに生産能力を1,100万台へ

インドネシアにおけるリンナイの主力商品は前述のようにテーブルコンロなどの厨房機器です。

  • インドネシアで販売されているリンナイ製テーブルコンロ
  • 2011年12月、テーブルコンロ年間生産500万台突破記念式典を開催。左がリンナイ・内藤社長、右がリンナイインドネシア・サストラ会長
  • リンナイインドネシア(株)バララジャ工場

現在、同国の世帯数は6,000万(推計)。これに事務所の水屋(台所)、屋台や小規模な食堂などの業務用需要500万を加えた6,500万世帯が市場全体の規模であると推測しています。仮に5年間でガスコンロを買い替えると年間1,200万台、結婚する夫婦が毎年200万組ほど誕生していますので、年間の需要は1,200万〜1,400万台と推測されます。
このような状況を受け、リンナイインドネシア(株)は2012年5月にバララジャ工場を稼働しました。新工場完成によって、テーブルコンロの生産能力を現状の550万台から2014年までに段階的に1,100万台へと増強する計画です。なお、リンナイインドネシア(株)は、テーブルコンロ生産では世界最大規模を誇ります。

ガスコックのインドネシア生産を開始市場が求める商品を提供

重要な部品を自社および自社グループ内で生産するのはリンナイのモノづくりの基本です。これまでリンナイインドネシア(株)では、テーブルコンロの重要な部品であるガスコック(ガス器具栓)をリンナイタイ(株)から輸入していました。しかし、生産量の増加に加え、リスク管理の面を考慮し2011年からインドネシア国内での生産をスタートさせました。新工場においてもガスコック部品を内製化する計画で、フル稼働後は必要とされるガスコックの半数以上を自社の工場で生産します。このように重要部品については、リンナイインドネシア(株)で内製するかグループ会社から輸入しています。
リンナイインドネシア(株)が製造・販売するガスのテーブルコンロは、インドネシアの人々にとって必需品に近い商品です。中産階級が増えたと言われる同国ですが、月収が1万5,000〜1万7,000円の最低賃金で働く人も少なくありません。誰もが購入できるように1台2,000〜3,000円と、地域の年収に合わせた価格設定を行っており、今後も市場が求める価格体系・仕様で、欲しい時に購入していただけるようにしていく方針です。
現在のインドネシアの人口は約2.4億人。今後、毎年500万人ずつ人口が増え、50年後には約5億人になると推測する調査結果もあります。少子高齢化が進む日本と異なり、若い世代が多いのがインドネシアの特徴です。総人口のうち、貧困層が圧倒的に多く、この貧困層の生活改善、食料の確保がインドネシア政府の重要な課題の一つです。
このところ安定成長が続き、今後も成長が見込まれる同国ですが、今後の発展のためには、社会インフラ(中でも一般道・高速道路や地下鉄網、港湾、上下水道)の整備が待たれるところです。インフラが整備されれば、さらに産業は活気づき、より魅力ある市場になると予測されます。今後もリンナイインドネシア(株)は、インドネシアの人々の「豊かな暮らし」に貢献できるように、「安全」で「使いやすい」商品を提供していく考えです。

リンナイインドネシア(株)バララジャ工場アシスタントスーパーバイザー スラッマン1994年入社

Employee Interview 安全を最優先して工程の改善に取り組む。これからも会社の成長を支えていきたい。

新工場のバララジャ工場稼動に伴い、チクパ工場から異動、現在はガスコック製造部門の責任者として働いています。2008年と2011年の2回、日本のリンナイ精機 (株)で技術研修も受けました。
ガスコックはアルミダイカストで製造されます。鋳造という工程上、どうしても材料の状況や温度などによって細かい穴が発生する場合があります。当社が製造しているものは漏れを許さないガス機器であるため、たとえ小さな穴でも見逃すことはできません。徹底した検査を実施して不適格品をその後の工程に送らないようにする一方、改善に取り組み、不適格品を減らす取り組みを推進、着実に成果が現れてきています。
リンナイインドネシア(株)は生産量が右肩上がりに増加しており、当社の発展に自分の仕事が寄与していることに大きなやりがいを感じています。同国では、「リンナイブランド」が確立されてきたと自負しています。今後も当社が成長し続けるように、仕事を通して力を尽くしたいと思います。そして近隣諸国にも「リンナイブランド」を広げていくことができれば、と考えています。

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